働き方改革取り組み事例一覧
両立支援
「働く意欲はあっても、子どもが小さいから一歩が踏み出せない」。「子どもを2人ともこども園に預けると、保育料が給与を上回ってしまう」。そんな悩みを抱える女性が、安心して働ける場所を作りたいと、同社が2017年から始めたのが、「子連れ出勤制度」です。
きっかけは、代表取締役の中根さんが、4年前に「富山型」と呼ばれるデイサービスを見学したことでした。富山型とは、利用者を限定することなく、高齢者や障がい者、さらに小さな子どもが一緒に過ごすスタイルです。「とても家庭的な雰囲気で、介護する側もされる側も、皆さん自然体なのが印象的でした。認知症の高齢者が、子どもと一緒に遊ぶと自然と笑顔になるんですね。お世話をされる人も、時にはお世話をする人になる。このスタイルをモデルに、まずは希望者に、子連れ出勤を認めることにしました」と中根さんは話します。
最初は1人から始まった子連れ出勤も、現在では7人ほどに増えています。子連れでもいいのならと口コミでも広がり、スタッフが増えたことで、シフトにも余裕ができたとか。遊びも食事も基本的には、子どもたちは利用者と一緒に過ごし、食事も共にします。「上の子はこども園に預けて、下の子を連れて働いている人もおり、トータルで家計にプラスになるようにしてほしい」と中根さん。「利用者さんが子どもをあやしてくれることもあり、子どもがいることで、利用者さんの笑顔が増えていると感じます。私たち介護者とは違う、それぞれの立場で協力し合える環境がいいと思いますね。何より自分の子どもと一緒にいられるのは安心です」と語るのは子連れ出勤しているスタッフです。
「子どもたちの笑い声が聞こえてくるのがいいですよ。3世代で暮らす家庭のような雰囲気です。」 統括マネージャー 加藤香苗枝さん
2019年度前半には、同社の敷地内に、企業主導型保育施設を建設予定です。「ボーダーレスという考えを基本に、近隣の事業所10社ほどと提携し、各職場で働く方のお子さんを預かる予定です」と加藤さん。同社に所属している保育士資格保有者が保育を行います。これにより、同社では子連れ出勤か保育所利用のいずれか選択可能となります。「この地域は介護も保育もサービスがまだまだ行き届いていないのが現状です。少しでも、地域みんなで助け合っていけるような仕組みづくりの役に立つことができれば嬉しいですね」。
背中に子どもをおぶって利用者とレクリエーションを楽しむスタッフ。子どもも楽しそうに時折笑顔を見せていた
第6回(平成30年度) はたらく人がイキイキ輝く事業所表彰
主な事業 | 介護サービス事業 |
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所 在 地 | 豊田市中垣内町広畑7-3 |
T E L | 0565-77-0397 |
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