働き方改革取り組み事例一覧
人材育成・評価
人材をより適切なところに配置するための取り組みとして、善都が実践しているのがジョブローテーション制度。若手従業員を中心に複数の部署や店舗での仕事を経験させます。そしてその都度、本人の書いたキャリアシートや上司の考課表などをもとに相談し、最終的な配属を決めます。従業員ごとの適性や本人の希望を総合的に判断して働く場所を決められるので、ミスマッチを減らすことができるのです。
株式会社善都 人事部 人事課長 佐藤 健司さん
実際にジョブローテーションを経て現在は本部の広報・賞品課で働く中尾さんにもお話をうかがいました。中尾さんは、もともとアルバイトとして店舗で働いていましたが、働きぶりを評価され、正社員となって一度本社で働いてみないかという話を受けました。その時は、興味はありつつも「本社の仕事は大変そう」という思いから乗り気ではなかったそうです。しかし、ジョブローテーションの話が来た理由について、上司から説明をしっかりと受け、必要とされていると感じたことから、6ヶ月で戻るという前提で異動を受け入れました。
本社での仕事は、予想通り大変と感じることが多かったそうです。しかし、お客様へ直接サービスする店舗と、店舗のサポートをする本社を両方経験することで、学べることもたくさんあったと中尾さんは話します。中尾さんは、当初の予定通り6ヶ月の本社勤務を終えたとき、まずは「戻りたい」という気持ちがありました。しかし、改めて両方を比較して、店舗でできることには限界があると感じたそう。店舗にいた経験を活かしながら、店舗をより良くするために本社でやれることをやっていきたいという思いが強くなり、最終的には本社で働き続ける道を選んだのです。
もちろん、そこで自分はやはり店舗のほうが向いていると思い、店舗でキャリアを積んでいく選択をする人もいます。会社としては、両方を経験した上で選択できることが大切だという考えのもとに、ジョブローテーションを実施しているということです。同じ場所にとどまるのではなく、いくつかの仕事を経験することで、適性を探り、自分から積極的にキャリアを考えるきっかけにもなっているようです。結果として、この会社で働いていくことへの納得感や自分の仕事への自信も生まれます。
もう一つ、善都では人材を活かす取り組みとして、「Prezentation」という制度があります。「新しいパチンコ」「新規事業」「働きやすい制度・環境」といったテーマで、若手従業員がアイデアを考え、社長をはじめとした経営陣に直接プレゼンをするという制度です。もともとインターン生を対象に実施していたものをぜひ若手社員にもということで、始まったばかりの取り組みです。実績はまだ1回ながら初回から60名ほどのエントリーがあり、実際に採用された例もあるそうです。このように、若手従業員にチャンスを与えることで、若手自身のやる気にもつながり、役員を前に発表するという特別な経験を積むこともできます。それ以外の従業員にも、大きな刺激になるでしょう。
この取り組みを行う上で、人事課長の佐藤さんが気をつけていると話してくれたのは若手とベテランとの温度差を防ぐこと。エントリーする若手の所属する店の店長などが、その取り組みを素直に応援できるように、まずは管理職にその取り組みの意義を説明することを大切にして、やる気のある人材にとって不利益が出ないように配慮しているとのことでした。
第5回(平成29年度) はたらく人がイキイキ輝く事業所表彰
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