働き方改革取り組み事例一覧
推進体制
「仕事は楽しむことが大事」と語るキョウエイファインの坂元社長。従業員に満足して仕事をしてもらうために、意見を聞くことを大切にしています。ただし、意見を聞くと言っても、「聞いて終わり」では満足にはつながりません。キョウエイファインでは、その先まで仕組み化しています。
まず、就業規則を役職者会議で毎年見直します。働く中で、給与や休暇の扱いなどについて、「こういう場合はどう扱われるのか?」という問題が必ず出てきます。そうしたときには、関係者や役職者で話し合って結論を出し、「こんな出来事があり、会社はこう対応した」ということを社内全体に周知。そして、その次の就業規則見直しで明記するのです。 個別の相談に対し、現場の役職者が判断に迷うことがないようにするためです。
株式会社キョウエイファイン 今井 沙耶さん
また、キョウエイファインでは年に1度「改善提案」をテーマにした月(事例No.1参照)を設け、1人につき2つ以上、会社の改善案を提案してもらっています。この制度のポイントは、そこで出た案を取り入れるかどうかに関わらず必ずフィードバックすること。そしてもちろん、実際にここで出た案が受け入れられることも多くあります。最近だと、後ろが見にくい現場へ行くことがあるトラックにバックモニターを設置したり、雪の多い地域を回るトラックのウォッシャー液やワイパーを寒冷地仕様にしたりと、現場にいるからこそ気づく問題点をこの制度によって解決しています。
従業員としても、本社が意見をきちんと検討していることが分かれば、意見を言う甲斐があるというもの。実際に、自然と様々な意見が出てくるそうです。同じように、意見や要望を上に伝える仕組みとして機能しているのが、ドライバーが毎日提出するドライバーレポート。以前は、「提出して終わり」の書類で、点検の報告と事務連絡だけが書かれており、役職者も目を通して印鑑を押すだけでした。ところがある時、社長が「きちんと誰かが見ていることを示さなければ」と考え、役職者がレポートに対して必ず返事やコメントをして、印鑑を押して社長まで回るように徹底しました。役職者のコメント欄は、事務的なものにとどまらず、要望が出ればそれに対しての対応を示し、時には労いの言葉も記載します。その結果、ドライバーたちも色々なことを書くようになりました。意見や要望、困っていること、さらにはちょっとした雑談的な内容も。このやりとりが、普段顔を合わせる機会の少ないドライバーと役職者の会話の糸口にもなっているそうです。報告のために活用しているものが、使い方を見直すことで社内のコミュニケーションツールとして機能するようになりました。
びっしり書き込まれる「ドライバーレポート」
この取材で印象的だったのは、社長の坂本さんが「こうすると会社がよくなる」「もっと業績が上がる」というお話をするたびに、「そうしたら従業員に還元できる」と当然のようにおっしゃっていたこと。そして、お話をうかがった今井さんが、取り組みの内容から成果、社長の思いまで、ほとんどすべての質問に答えてくださったこと。そんなところからも、坂元さんが従業員を大切にされていることや、日頃からとにかくコミュニケーションを重視していることが、強く伝わってくる取材になりました。
第5回(平成29年度) はたらく人がイキイキ輝く事業所表彰
主な事業 | 運輸業 |
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所 在 地 | 豊田市寿町8-70-1 |
T E L | 0565-25-1815 |
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