働き方改革取り組み事例一覧
多様な働き方
(有)豊田煙火の代表取締役の青山さんは、2005年から「愛知中小企業家同友会」での活動を続け、ワーク・ライフ・バランスの勉強会などにも参加してきました。愛知中小企業家同友会の中で社会保険労務士と出会い、制度・規則の整備、ワーク・ライフ・バランスの推進について影響を受けてきました。従業員が3人ということで法令で定める就業規則の作成・届け出義務はありませんが、「一人でも従業員がいれば就業規則をしっかり整備した上で雇用契約を結ぶべき」というアドバイスを受けたことから、従来の就業規則の見直しを実施。また、育児・介護休業制度の拡充とともに、出勤日・休日の振替や在宅勤務、「年間休日カレンダー」に従業員の要望を反映させるなど、経営者・従業員・社労士が一緒になって協議をし、さまざまな制度や仕組みを整備。希望があれば、従業員と社労士とで面談する機会も設けるなど、より働きやすい職場づくりに尽力してきました。
従業員の鶴飼さんは「夏の繁忙期以外は残業がなく、生活のリズムが作りやすいです。年間のスケジュールや天候に合わせて仕事をコントロールできたり、年間休日カレンダーに休日の要望を反映できるなど、ありがたいなと思うところはたくさんあります」と、働きやすさを実感しています。「共に働く従業員は、なくてはならない存在。人を活かし、一緒に信頼できる会社に育っていくためには、いかに仕事と生活の調和の取れる職場で働くことができるかが大事な時代です」と青山さん。愛知中小企業家同友会での学びも活かしながら、従業員一人ひとりを大切にし、信頼関係の構築にも力を入れてきたことが、ワーク・ライフ・バランスの実現に大きく貢献しています。
(上)各種制度は経営者、従業員、社労士が一緒に協議 (下)従業員の要望を反映させた、年間休日カレンダー
その時々の状況に応じ、従業員が主体的に多様な働き方を選択しています。天候に左右される業務が多いということで、出勤日と休日を振り替えるなど、従業員が仕事と休日をある程度コントロールすることが可能です。例えば、平日に雨が続いているときに、週末土曜日が晴れるとわかれば、晴れの土曜を出勤日にして平日を休日に振り替えることもできます。パート従業員は、通院やお子さんの体調不良などその日の都合や、子どもの長期休暇に合わせてある程度長い期間の勤務時間の変更など、個々の事情に合わせて勤務時間を調整することができます。こうした柔軟な対応は、花火大会などの行事予定や生産予定数量など、1年間の大まかな作業スケジュールを労使が共有しているからできること。天候と作業スケジュールを照らし合わせながら、フレキシブルに対応しています。
「玉貼り」作業。同社では使わなくなった米袋を再利用し、小麦粉100%の糊を使うなど、安全で環境にも優しい花火づくりを行っている
事業の特性上、山間部に事業所を置いているため、アナログ回線の敷設のみで通信速度が遅く、インターネット環境があまりよくありません。メールの受送信など、従業員の自宅エリアの方が効率が良い業務もあることから、業務内容や家庭の事情に合わせて在宅勤務を許可、業務の始業・終業はメール申告により管理し、通信費用を会社で負担しています。「社用のパソコンを持ち出すことへの懸念もご指摘をいただきますが、従業員のことを信用できなければ共に働くことはできません。小さな会社ならではの信頼関係でOKにしています」と代表取締役の青山さん。小川さんは、「子どもの急病など突発的なことも、柔軟に対応してもらえてとてもありがたいです」と、働きやすさを実感されていました。
パート従業員 小川啓子さん
第7回(令和元年度) はたらく人がイキイキ輝く事業所表彰
主な事業 | 煙火製造、販売 |
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所 在 地 | 豊田市山中町乗越714-1 |
T E L | 0565-42-1141 |
H P | https://toyotaenka.co.jp/ |