働き方改革

　性別にかかわらずスキルの幅を広げてもらおうと、碧海信用金庫では平成27年度から女性営業職を導入し、段階的に全店への展開を開始。女性職員は全員、2年間窓口業務などを経験した後、3年目から男性職員と同様に営業職を経験する仕組みになっています。事前に研修を実施し、商品知識やマナーについて学ぶ機会も提供。不安なく営業に取り組めるようサポート体制を強化しています。
　また、平成25年度に創設されたLA（ライフアドバイザー）が、平成30年度から職員の教育に注力。金融機関で扱う商品は年々多様化しており、お客様に合わせた提案ができるように、若手職員の育成・指導を担当しています。事例をまとめて各支店へ展開したり、頑張る職員を紹介したり、若手がモチベーションを維持しながら働くことができる環境を作っています。

豊田地区LA　係長 寺田 菜穂子さん

　働き方改革が進み、育児をはじめ生活と仕事の両立ができる環境の整備とともに、活躍の場やキャリア形成の選択肢が広がり、近年女性管理職が増加しています。役職者における女性比率は、平成28年度末と令和元年度末で比較すると管理職が4.1％→6.6％、係長職が26.2→30.0％と推移しています。
　ロールモデルが増えたことで、新卒採用時にキャリアイメージをより具体的に提示できるようになり、女性の採用率もアップしました。今後も、スキルアップや昇進を希望する女性のキャリア支援を積極的に進めていきます。

　「少し前までは『金融機関で女性が外回りをする＝防犯・安全面の心配がある』というイメージを持たれていました。しかし実際に女性営業職を設けてみると、お客様から好評をいただくことがほとんどでした。営業グループは団結も深まり、今後も本人の適正や希望を考慮し、男女かかわらず活躍の場を作っていきたいと考えています。」

　「女性の活躍について社外へも積極的に発信することで、他の事業所から『女性の活躍を推進するにはどうしたら良いのか』とアドバイスを求められることが増えました。様々な取り組みを行うことで、周りの企業から目標とされる組織づくりを目指していきたいです。」

　「女性職員も営業を経験することは、採用面接時から伝えられており、入庫後も段階的に案内もあったので、窓口から営業に業務が変わること自体には不安はありませんでした。営業職を始める直前に店舗異動があり、職場に慣れることからスタートしましたが、周りの職員が優しく接してくれ、スムーズに移行できたので助かりました。営業は自分からお客様先へ出向く業務であり、これまでのお迎えする業務とは正反対ですが、徐々に慣れていきたいと思っています。碧海信用金庫は、役職に就いている女性の先輩が多いので、『将来こうなりたい』と思えるのも、モチベーションにつながっていますね。これから資格試験なども積極的に受けつつ、自分の適性を見つけていきたいと考えています。」

豊田支店　支店長　渡辺 広之さん(上)、 高岡支店　支店長　田中 賢治さん(中)、 豊田支店　濱谷 真冬さん(下)

　「係長、課長と昇進し、キャリアを積む中で心がけてきたのは『去年の自分よりできることを増やそう』ということでした。私が入社した当初はまだ女性営業の制度がなく、営業は経験していませんが、自分から『融資について学びたい』と希望を出し、担当窓口を変更してもらうなど、積極的に新しい仕事に挑戦してきました。また、日々の問題から逃げずに、一つひとつ丁寧に取り組む姿勢も評価されたのかもしれないと思っています。係長から課長へ昇進する際は、支店長に背中を押してもらい、勇気が出ました。ターニングポイントは人それぞれ違うと思いますが、『ここぞ』というときにしっかり自分で判断できるよう、日々経験を積んでいくことは大切にしていますね。」
　「現在勤務している豊田南支店には、20代の女性が多く在籍しています。彼女たちが自分の進む道に迷ったときや困ったときには、何でも相談できる、そんな環境をつくることが次の目標。役職に就いている自分がモデルとなり、相談してくれたことに対して親身になって接していきたいです。」

豊田南支店　課長　鈴木 美雪さん